ちょうど2年前、四代目に見つかった「聴神経腫瘍」の摘出手術を東京警察病院 河野先生の執刀で行なわれたのでした。時が経つのは本当に早いもので、あれから2年が経過し、いまは手術前となんら替わらない生活に戻り、元気で仕事に取り組んでいます。手術側の右耳が失聴したので、ざわついた場所での会話や、右側から声をかけられたときには聞きずらいか、まったく聞こえない状態ですが、それ以外はふらつきやめまい、顔面麻痺もなく、普通に生活しています。聞きづらいといっても、まったく聞こえないわけでもなく、普通に手術前と同様の会話は成立していますし、人の話も聞こえていますので、なんら不自由は感じません。
手術後2年が経過したので、時系列に合わせて東京警察病院にて2011年に行なわれた四代目自身の手術体験記を再掲載しようと思います。今、聴神経腫瘍で大きな不安を抱えておられる方々の一助となれば幸いです。
河野道宏先生は、2013年4月から東京医科大学に主任教授として異動されます。そのため4月以降の手術などの詳しい情報は河野先生のホームページでご確認ください。【脳神経外科医 河野道宏先生のホームページ】
3月16日 手術後13日目
体力はすでに入院前に回復したようだ。
昼間動かずエネルギーを使用していないので体が疲れていない。そのせいか眠れない。深夜1時~3時まで起きていた。その間、ラジオを聞きながら、夢と現実を行ったり来たりしていた。
6時起床。
今日は水曜日。
定例の回診日。
河野先生に会える日が少なくなっていく。失礼がないよう普段着に着替える。
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8時、聴神経腫瘍スペシャリスト軍団「河野道宏」チームが病室に来た。
順調な回復振りを伝える。
「右耳が聞こえなくなったのは残念だったね」
「いえ、覚悟はしていました。それよりもめまいもふらつきも吐き気もありません。ありがとうございます」と胸の内を伝えた。
この日は何もなかった。
日中寝てしまうと夜寝られなくなるので起きていた。
日常生活にもどるため、日中は起きていることにした。
ベットを離れ、ラウンジで過ごす。
昼食後ベットに座っていた。忘れられない【聴神経腫瘍摘出手術】の年となった51歳の誕生日直前の一日だった。
夕食後、廊下で若い担当医2名と出会った。順調な回復振りを見て二人とも笑顔を見せてくれた。あの時の二人の笑顔は忘れられない。そして「CT撮影して問題なければ1週間で退院ですね」と言った。あと1週間と聞き、こみ上げる感情を抑えられなかった。顔が緩むのを感じた。
夕方1階コンビニに行く。
病室に戻ると明朝手術を控えた同室者が不安げにしていた。その気持ちは痛いほどわかる。つい2週間前の自分そのものをそこに見た。入院前の体調に復帰し、運動しないために体が疲れていないせいか夜眠れなくなった。今夜も深夜11時まで眠れず、その後朝までウトウトとしていた。
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