N様からのご相談
ホームページを見てご連絡致しました。 「手編み仕上」の座縁を溝彫加工して、「溝決込み仕上」に変更して張替えた場合の見積をお願いしたいのですが、宜しくお願いします。 画像も添付致します。

座面サイズは横幅410mm、奥行380mmです。
安田屋家具店からの返信
現在の手編み仕上げを座面木部淵周りに溝彫加工をして、籐丸芯材で籐シートを押さえ込む「溝決め込み仕上げ」に改良して張り替えた場合の修理費用をご提案いたします。
尚、椅子本体から座面が取外せないタイプのため、椅子後部の支柱部分の溝彫加工は手彫りでの作業となります。
修理費用は1脚税込39,800円/脚 (2022年1月時点)です。お客様宅から当店、当店からお客様宅への往復の送料が別途必要です。
使用する材料は、耐久性が一番高い、少し網目の大きい「五分カゴメシート」を使用します。無着色・無塗装の生地仕上げです。
張替当初は白っぽいですが、年数が経過するとアメ色に変色し、十数年後には現在と同じような色となります。
今回の改良しての張替後は、通常の座面籐シート張替のみとなりますので、張替費用は安価となります。手編み仕上げの耐久性を100とすると、今回の溝決め込み仕上げにした場合、耐久性は50となります。
そのためオプションとして座面裏側に籐皮を撚った籐バンドを十文字に入れる補強があります。


十文字補強を入れると、座った時の荷重をバンドが受け止め、籐シート材への負担を軽減させます。そのため耐久性が50アップ
しますので、溝決め込み仕上げ50+補強50=合計100と、手編み仕上げと同等の耐久度となります。籐バンドは表面からほとんど見えませんので、違和感はありません。
籐バンドはまず切れることが無いので、次回以降は籐シート材の張替のみとなります。
十文字補強は、税込5,000円(2022年1月時点)がプラスとなります。
張替加工+補強=合計44,800円/脚(2022年1月時点) となります。
送料ですが、ご住所にもよりますが、当店から発送する場合、「梱包サイズ200」で税込3,000円程度です。梱包する必要が無いヤマト運輸の「らくらく家財宅急便」を使用すると、若干価格は高いですが簡単で便利です。
椅子木部接合部のぐらつきが無ければ、籐シートでの張替をお勧めします。籐シート材の耐久性が昔と比べて格段に落ちているため、座面が籐シート材の椅子は現在ほとんどありません。
ぜひ張替をご検討ください。