四代目が「聴神経腫瘍」摘出手術を行ったのが2011年3月3日。あれから13年が経過しました。当時の手術・入院体験記をご覧になられた方からの相談がたまにあります。今回も手術に立ち向かう不安な心境がわかります。10万人1人のきわめて発生率が低い「聴神経腫瘍」ですが、その1人になってしまった方の参考になればと思い掲載しました。
はじめまして。昨年の8月に聴神経腫瘍と診断され、東京医科大学で来月手術することになってます。四代目さんのブログ大変参考にさせていただいてます。詳しい情報がありがたいです。
一昨年耳鳴りと聴こえ辛さがあり、耳鼻科で低音難聴と診断され治療してましたが昨年夏に片頬あたりが痺れてきて近くのしびれ外来をしている脳外科クリニックでMRIを撮ったところ腫瘍が見つかり、この病気はこの先生だから!と迷うことなく河野道宏先生への紹介状を渡されました。下調べも全くしていなかったのでそんなに凄い先生とも知らずにいましたが今考えると幸運だったのだとも言えるかと思います。
いつかのブログで四代目さんが書かれてましたが、私も耳鳴りと少し痺れがあるだけで日常生活に支障はないので手術する必要はあるのか?また、セカンドオピニオンをしなくていいのか………等々今になって考えてしまう事が多くなりました。脳天気な性格からか、最近まで不安はほぼなかったのです。(腫瘍が35mm大なので河野先生は手術一択でした)
できたら聴覚を残したいのです。顔面麻痺も怖いです。聴覚が残るのなら多少腫瘍が取り切れなくてもいいかとも思ってしまっています。色々な体験談等を見て不安になることが多くなってきてます。
次に先生に会うのは入院の日の術前説明の時ですが、今さらこのような不安があることを言っても失礼ではないでしょうか?河野先生には最初の一回しか会っておらず、初対面なのにこの先生なら大丈夫だなと感じ、特に質問らしい質問もせずでした。
術前にどのようなお話をされましたか?説明のみで会話するような感じではないのでしょうか?もう手術をしないという選択はないのでジタバタしてもしょうがないのですが…。
四代目からの返信
コメントを拝見いたしました。手術を決めたのにもかかわらず、術日が近づくと不安になりますよね。私も同じでした。手術しよう、、、、いや止めよう、、、、、、。
10万人に1人の発生率と言われましたが、河野先生がいる病院では、普通の病気かと思えるほど多くの入院患者がいます。みんな頭に圧迫包帯巻いているので直ぐにわかります。こんなに多くいるんだと驚きますよ。
最後に覚悟を決めたのは、聴神経腫瘍に関するいろんな情報を集め、いろんな聴神経腫瘍の専門医を見つけましたが、河野先生のメール質問に関する返信の速さ、親身な回答、ホームページのこまめな更新、手術回数の多さなどから、やはり河野先生以外に考えられないと判断したことです。河野先生のピッカピカのコインローファーを見ると、なんとなく先生のストイックさを垣間見るような気がしたのも理由の一つです。
例え河野先生の手術がうまくいかなかったとしても後悔はしない、河野先生でダメなら、他の方の場合はもっと悪い状況になる、河野先生以外に無いと腹をくくりました。
不安なのは、手術した後、どのような状況になるか全くわからないからです。真っ暗闇の中を歩いているようなものです。なので手術までの期間にいろんな手術体験記を探しまくって、読み漁り、手術がうまくいった場合、うまくいかなかった場合(顔面神経麻痺になった、聴力がなくなった、髄液が漏れたetc)の状況を知ることでした。
特に術後の症状が悪い場合の状況を数多く知っていれば、自分の状況がどれに当てはまるのか、この後どんな風になっていくのかが、ある程度予測できます。予測できれば対応することができます。術後の状況がどのようになるのか、数多く知っていれば不安はなくなります。不安になるような体験談を数多く見ることがいいと思います。
セカンドオピニオンに関してですが、河野先生の診断を受け、手術も決定した状況であれば、今抱いている「手術しようか、やめようか」という不安に関して、河野先生に決めたと自分自身に言い聞かせるために、他の医師のセカンドオピニオンを受けてもいいと思います。受ければ、河野先生にやっぱ決めようと思うはずです。
外科手術以外に放射線治療の選択を考えるのですが、河野先生曰く「年齢が若くこの先まだ20年以上の人生があるなら手術して腫瘍を取り除くべきです。これが70歳、80歳の高齢であれば、その先の寿命を考えたら、手術を強く勧めることは無いです」
「放射線治療の場合まだ日が浅い新しい手術方法なので手術してからの経過年数がまだ少ないです。そのため施術後どのような結果になっていくのかまだ未知な部分があります。しかし外科手術の場合、歴史が古いので、術後にどのような症状になるか大方わかっています。そのため確実な外科手術を勧めています」
「確実に大きくなっていくことがわかっている腫瘍をそのまま放置しておくことに何のメリットがありますか。確実に大きくなっていく事がわかっていて、場合によっては生命が危険に及ぶということがわかっていながら、そのままにしておく利点は何一つありませんよね。一日も早く手術で取り除くことが最善ではありませんか」
14年前のことなので正確ではありませんが、こんな内容を言われたと思います。
聴神経腫瘍手術の場合、多くは聴神経を切断するので術側の聴力は無くなります。私も右耳の聴力はありません。でも通常の生活には全く支障はありません。
不便なことは、呼ばれた方向がわからず360度見回さないとならないこと、多人数いる居酒屋などのガヤガヤした場所での会話が聞きずらい、イヤホンによる音楽はモノラルでないとならない、映画館の迫力が半減する、聞こえずらいので何度も「えっ、なに」と聞き返してしまい、途中から聞こえているふりをして中途半端な相槌を打ってしまううことくらいですかね。まっ、それほど気になることは無いと思います。
河野先生はとってもフレンドリーな人です。
説明はわかりやすい内容でしたし、会話するような感じでしたよ。
術前説明の時に、今抱いている不安をどんな些細な事でもいいので、全て質問されるべきです。疑問を持ったまま手術するよりも、全ての疑問を先生に話して答えてもらい、納得できない事項はさらに質問してみることが必要です。
最後に、最終的に手術をすると決定したのは誰ですか。家族ですか。 最終的に決定したのは「あなた」です。 であれば何が起ころうとも他人のせいではなく、それを受け入れるのは「あなた」自身です。そのためには河野先生の手術を受けるということを徹底的に自分自身が納得しておく必要があります。
お忙しい中お返事ありがとうございます。河野先生がベストであることは間違いないと思います。河野先生にたどり着くのが早すぎて凄さがわからず、また比較する対象がないのが逆に良くなかったのかな?などと考えてしまっています。
自分自身に言い聞かせるために、他の医師のセカンドオピニオンを受けてもいいと思います。受ければ、河野先生にやっぱ決めようと思うはずです。
この考え方はなかったので目からウロコでした。
河野先生以外以上の先生はいないだろうからセカンドオピニオンは意味ないと考えてました。娘が耳下腺腫瘍摘出手術する際は、診断から手術を決断するまで2年以上かかり、4つ目の病院5人目の医師でやっとだったので辿り着いたという達成感があったのも事実です。それが今回はないので迷いが出てしまっているのかもしれないです。
余談ですが、娘の主治医に私が聴神経腫瘍になったこと、東京医大病院で手術の旨伝えたところ、「もしかして河野先生?いいと思います。河野先生以上はない」と仰ってました。面識もあるそうです。(その病院も脳外科あるのですが…)
また病院に勤務している知り合いに相談したところ、病院内の医師に言ってくれたらしく、うちでもできるけど河野先生のほうがいいと仰ってたそうです。因みにどちらも有名な都内の大学病院です。
…長々とすみません。そんなエピソードもあり迷ってはいなかったはずなのですが。結論はわかっているのにグズグズしてしまってますね。 術前に河野先生にお会いしたら聞きたいことをできるだけ聞こうと思います。オーラに圧倒されないようメモしておこうと思います。
決めたのは誰でもない私ですからね。
聴力ですが今も片方は聞こえづらく、何度も聞き直したり聞こえたふりしたりしてるのであまり変化はないのかもしれないですね。少し安心しました。職場復帰した際、麻痺を見て同情されたりするのが嫌だななどとまだ起こってもないことまで考えてしまってました。
最終的に決定したのは「あなた」です。
であれば何が起ころうとも他人のせいではなく、それを受け入れるのは「あなた」自身です。
刺さりました。
自分で100%納得しないと家族に「なんで止めてくれなかったのか」などと思ってしまうのが簡単に想像できます。誰かのせいだと思わないためにも徹底的に納得しないといけないですね。体験談等も悪いのを目にして迷いが出てきてしまったので避けていたのですが、見るようにしてみます。いい事も悪いことも知識として知っておくのが重要ですね。
改めてご返信ありがとうございました。同じ病気の方の発信は大変参考になりますし、支えにもなります。また何かありましたらメールしてしまうかもしれません。その時はまたよろしくお願いします。