昨年末に蕎麦店を商われているI様から、テーブル天板の塗直し修理のご用命を賜り、仕事始めの1月6日にわざわざ安田屋家具店まで天板を届けていただきました。
岐阜市に工場があった「松田産業」の横幅150×奥行80×高さ57センチの低座椅子用テーブルだった。「松田産業」はかなり以前に廃業している。材質は「ラバーウッド集成材」。そのため天板の厚み分だけ削ることができますので、天板を削れば新品に再生できます。
一見すると傷も無くきれいな天板に見えましたが、よく確認すると、1枚の天板には、熱いものを直接置かれた時に変色してしまった塗膜の跡があります。
もう一枚の天板にはすり傷が目立ちます。
現況を確認した四代目はI様に、「天板表面の塗装膜を巣経て削り落として、木地の状態にした後、ウレタン樹脂塗装仕上げを行います。削り落としますのですり傷やヘコミ傷はなくなります。白濁した丸い跡もなくなります。塗装色は現在と同じ色で仕上げます。天板の渕周りも同様に塗り替えます。天板裏側と脚は塗替えません。現状のままとなります」とお伝えした。
現状の天板のツヤがピカピカの「ツヤ有」となっていて、細かなすり傷などが目立ちやすくなっていねので、ツヤを抑えた「7分消し」仕上げにすることをお勧めして了解してもらった。
今回の塗替え費用は作業内容によって前後しますが、1枚税込み65,000円~78,000円+送料とお見積りし、職人に見せた後、最終金額をお伝えすることにした。
塗替えで一番重要で大変な作業は、現在の塗装面を削り落とすことなんです。これを確実に行わないと、きれいに塗装に仕上がりませんし、耐久性にも大きくかかわってきます。
過去、一般の方などが簡単にできると考え、ホームセンターでニスなどの塗料を購入して自分で塗替え作業を行うケースがありました。塗替え後しばらくしてペリペリと塗膜がはがれてしまい、再修理のご相談を受けたことが多々あります、一般の方がよくやることは、再塗装前に現状の塗膜を削り落とさなかったことです。木地の状態まで塗装を落とす必要はなく、塗膜に塗料がくっつくよう、サンドペーパーで天板全面を削り傷をつけることが重要です。
細かな傷がついていない塗膜表面に新しい塗料はくっつかず、ペリペリと短期間で剥がれるそうです。塗膜表面に細かな傷があればその傷に新しい塗料がくっつき剥がれないということだそうですよ。
簡単に思える天板塗直しですが、ご自分でやるよりも専門職人に依頼する方が、結果的に安価になりますので翌々ご検討くださいませ。
また過去に大工さんが塗直した事例では、家具用塗料ではなく、建築用塗料のようなペンキを使用して塗り直したために匂いがきつく、塗装面も美しくなく、再修理することになった事例がありました。使用する塗料を間違えないのもじゅうようなんですよ。
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