輸入家具のダイニングチェアーの張替修理のご相談がありました。
デザイン的には輸入家具としてよく見かける一般的なダイニングチェアーでした。
今まで多くの輸入家具ダイニングチェアーを見てきましたが、布地の柄などは日本製よりもデザイン・色が良い布地を使用していますが、布地が薄すぎて耐久性が無いものが多いようです。
今回お預かりいたしました椅子も、使用年数としては約5年前後とのことですが、座面の一番すれる部分が擦り切れて破れてしまっています。中身ウレタンクッション材はそれほどへたっていないようでした。
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座面サイズは、幅420、奥行400、厚み50ミリです。
仕上げ方は一番簡単な布地をくるんでタッカー針(ホッチキス針の大きいもの)で止めてある方式です。
背面サイズは、幅320、高さ310ミリで裏表両面張りです。
こちらの仕上げ方も一番簡単な木部フレームにタッカー針(ホッチキス針の大きいもの)で止めてある方式です。
輸入家具のダイニングチェアーの背・座面縁周りにはボーダーが付いているのが多くあります。
背面縁周りのボーダー
座面縁周りのボーダー
これらのボーダーは何のためについているかご存知でしたか???
デザインとしての飾り??、かっこいいから?? ・・・・・、
実はこれデザイン的につけたものではなく、布地を止めている針を隠すためなんです。
背面
座面
ボーダーを外してみると・・・、針が見えますよね。
技術もそれほど必要なく、一番簡単に短時間で布地を張る方法なので、よくこの仕上げ方がされています。
この飾りボーダーは、なんと布地にボンドで接着してあるだけなんです。驚きです。
年数が経過するごとに、すれてこのボンドで接着しただけの飾りボーダーがよく取れるんです。そしてご修理の相談もよくあります。ただこの飾りボーダーだけを修理する越せ相談は意外と少ないんです。
なぜか・・・・????
それは飾りボーダーが外れるころには、座面の布地が薄いために破れる時期とほぼ重なり、背・座面の張替修理としてご相談をされることになってしまうようだからです。 ボンド付けとは、さすが合理主義の欧米家具です。 日本では考えられません。
しかしこの飾りボーダーをボンド付けする方法しか、布地を止めてある針を隠す手段がありません。
他の方法としては、飾り鋲で布地を止める方式がありますが、かなり厳ついデザインとなってしまうことと、木部フレームに飾り鋲を打つ幅が無いので、できない場合が多いです。
今回のご修理も、現在使用されている飾りボーダーを取外し、背・座面とも布地を張った後、再度飾りボーダーを付け直す方法で行います。しかし飾りボーダーに関しては、耐久性が弱く、将来的に外れる可能性があることをお客様にご説明しないていけません。
椅子の張り方には、こんな仕上げ方もありますことを覚えておいてください。
特に輸入家具に多いので、ご注意ください。
張替が仕上がりましたら、ビフォー・アフターとしてご報告いたします。
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