安田屋家具店ホームページも開設してから約3年目をまもなく迎えようとしています。岐阜聖徳学園大学の経済情報学部 河野公洋先生にお会いしていなかったら、今だに安田屋家具店ホームページはこの世に存在していなかったことでしょう。
河野先生、本当にありがとうございます。
そして開設から今日まで、家具は使い捨ての粗大ごみとしてではなく、大切な想い出を刻み込んで末永くご使用いただきたいという願いから、様々な家具修理のご報告をさせていただきました。そのおかげで、ここ最近は各地より「こんな家具は修理できますか」「この金具はありますか」などなどのご相談をメール、お電話にていただくようになりました。1件1件実情に合わせて修理方法などに関してお伝えしております。「こんな家具は修理できるの??」なんてフト思い立ちましたら、何なりとお問合せください。最近の低価格路線の家具事情では、全て円満解決とはいかないかもしれませんが、お役に立つことがあるかもしれません。迷ったらどうぞ安田屋家具店にご相談ください。
さて今回ご紹介するのは、「この家具の名前と製造年が知りたい」とのお問合せでした。知人の方から譲り受けられたリビングチェアーで、背面に「オリーブ印 森繁」のロゴがあったので、古いカタログを保管しているとの安田屋家具店のホームページをご覧になられてのご相談でした。
どこかで見たような、見たことのないような・・・・・。
「オリーブ印 森繁」のロゴがあったとのことだったので、まずは安田屋家具店に保管してある最古の森繁のカタログ1984年版を見てみましたが、どこにも掲載されていません。そこで1985年から2000年版までをチェックしましたが見当たりません。2000年以降にこのデザインの椅子を見た記憶がありませんので、最終手段です。四国は香川県、高松に工場があるモリシゲに電話です。以前安田屋家具店を担当していただいていた「新藤」さんが偶然にも電話口に出られたので、ことの経緯をお伝えして調べていただきました。
モリシゲの資料庫にて調べた結果、この商品を製作していた頃の図面、カタログなどはすでに存在していなかったようです。そこでわざわざ古いベテランの営業マンに確認してもらって、ようやくわかったようです。商品名は「クリンガー」というリビングチェアーで、製作年は1970年~1976年ごろ、つまり35年~40年ほどの前の商品でした。新藤さん、ありがとうございました。
このデザインの椅子は、現在ではモリシゲでも簡単に製作できるものではないと思われ、また製作図面もすでに存在していないので、復刻する場合はかなりの金額になるものと思います。大変貴重な椅子なのに、写真で見る限りは状態はとても良いようなので大切にご使用いただきたいものです。