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本革張 chateaudAxソファ修理

安田屋家具店が立地する岐阜市のお隣、各務原市のK様より、イタリアが誇る名門ブランドソファ 【Chateau d’Ax】(シャトウーダックス)製の本革張り仕上げのリビングソファー修理についてのお問い合わせがあった。

シャトウーダックス 【Chateau d’Ax】
1957年に世界的に有名な一流ブランドの向上が集まるミラノ北部に設立。
厳選された最高級の一枚革を贅沢に使い、熟練職人が手作業で丹念に仕上げるため、使い込むほどに味わいのある美しさを醸し出します。
世界中から注目されるイタリアンブランドです。

K様より
使用後、13年を経過したchateaudAx製ソファですが、座面と手すりの沈み込みが気になります。修復見積りをお願いいたします。

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ソファ一は、1人掛と3人掛です。

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また、表皮の経年劣化は、どの程度復元するものでしょうか?

大変恐縮ですが、他社様にて8万円程度との見積りもさせていただいております。

安田屋家具店からの返信
まず先に結論からお話しますと、 修理内容が不明なので確実なことはいえませんが、他社様での修理見積金額が8万 円というのは激安価格で、8万円以下で修理を行える職人はいません。修理内容をよくよく確認される必要はあり ますが、先に見積をされた所での修理が金額的には最安値だと思います。

この「chateaudAxソファ」は、これまた安田屋家具店が立地する岐阜市のお隣、四代目の奥様の出身地である羽島市に会社がある「株式会社ハナムラ」が輸入していましたが、いまも輸入販売しているかは不明です。調べてみると独占販売契約を締結している「フランスベット」の取扱いブランドの一つになっているようです。

次に原因と修理内容についてご説明いたします。
このデザイン形状のソファーによくある症状です。

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背面内部のウレタンクッション材がへたって厚みがなくなったこと、ウレタン材の上に付けてある化繊綿がすべて クッションの下部に落ちてしまったことが原因で、クッション材の厚みが無くなり、本来の背面クッションの型を 保てなくなっています。

さらにクッション材の厚みが無くなったことで、背面クッション内部に空間が生じ、それ によりだぶついたクッション表面の本革が折れた状態で使用されたことで、折シワができてしまっています。 肘面クッションも同様のことが起きています。

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座面クッション材は、内部クッション材がへたったことで厚みがなくなっていること、さらに座面の緩衝材はS字型 バネ、またはコイルバネ、またはウエビングテープのいずれかだと考えられますが、それらが落ちてしまったり、 緩んでしまったことが原因で、座った時にお尻が落ち込むようになってきていると思います。

ソファー本体は木製の型にウレタン材を貼って本革をかぶせてある構造で、人体の触れる場所ではないため、ご購 入当時と変わらないきれいな状態だと思います。

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表面の本革の色は本来はベージュ色だったようですが、色が飛んで白色に近い色に変色しているようです。

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修理方法ですが、背面、肘面、座面クッションがそれぞれソファー本体から全て外れるタイプでしたら、クッショ ン内部のウレタン材を補充して元のクッションの厚み・型に戻せばよいのです。

しかしご使用のソファーの場合は、背面、肘面、座面クッションは全てソファー本体に縫い付けてあり、取り外す ことができません。ウレタンクッション材を中に補充するためには、一度現在の本革の張り込みを取外す必要があ ります。

さらに背面。肘面クッションは、それぞれ1個のクッションとして縫製仕上げを行った後、ソファー本体に縫い付け てあります。そのため背面・肘面のクッションは一度縫製をほどかないとクッション材を入れることができませんので、縫製をほどく必要があります。

しかしながら張り込みを取外したり、クッションの縫製をほどいた後に再度縫製を行うことは、元の縫い目穴と同 じ穴を使用して縫製することはできませんので、元の縫い目が点線の穴となって出てしまいます。そのような状態 は、いわばキリトリ線と同じことなので、本革の破れにつながります。

本革表面に折ジワが生じてしまった場合、その部分の表皮のはがれや本革の破れが生じやすい状態となっています。本革そのものの耐久性が落ちています。 したがって中身のウレタン材だけを補充しても、表面の本革材の耐久性が落ちているため、修理後短い期間で表面の本革の傷みが目立ち始め、張替をしなくてはならなくなります。

すると先に行ったウレタン補充の修理費用が無駄に なってしまいます。
中身ウレタン材補充だけの修理と表面の本革張替を別々に行うと修理費用の合計は、一緒に行う時と比べてはるか に高くなってしまいます。

以上のことから当店では、お問合せの3人掛けソファー、両肘椅子の修理に関してはウレタン材補充修理だけを行うこと はできませんので、「全面張替」での修理となります。

写真を見たところ、ソファー本体の外回りの部分も含めて全て本革で張りこんでありますので、現在と同じ総本革 張りで張替、ウレタン補充を行った場合のおおよその修理金額は下記の通りです。正確な金額は実物を確認してか ら再見積いたします。

尚、本革での張替は、ご購入金額よりも高くなる場合が多いので、想い出の商品であったり、この座り心地が良い等、どうしても残しておきたいとかの特別の事情が無い限り張替えはあまりお勧めしません。

「全面張替・総本革仕上げ」
3人掛けソファー 税込み 最低450,000円~
両肘椅子    税込み 最低340,000円~

安価に張り替えるには、背面・座面・肘面の人体の触れる表面部分のみ本革を使用し、ソファー外回りに合成皮革( ビニールレザー)を使用する「半革仕上げ」、または全面合成皮革(ビニールレザー)仕上げがあります。

しかしいずれも他社様が提示された8万円では行えませんので、今回は残念ながらお役に立つことが難しいかもしれ ません。

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8月 4, 2016 · Posted in 椅子張替え  
    

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