総桐たんすのお手入れについてのお問い合わせがあったのでご案内します。
総桐たんすは、一般的な家具に施されているような塗装がされていません。いわば素肌の状態である木地仕上げ状態です。この木地のままですとすぐに汚れがついてしまい、短期間で黒く汚れてしまいます。 それを防止するために、桐たんすの表面は「トノ粉」仕上げが施されています。さらにほんのわずかな防水効果を施すために、桐たんす表面にはロウ引き仕上げがされています。
たんす表面にロウがすり込んであるので、洗濯をするときにはお湯で表面を洗わないとダメなんですね。水だとはじいてしまいますから。 ロウ引き仕上げが施されているからといっても水気のものは厳禁です。濡れた手でたんす表面を触るとシミがついてしまいますからご注意ください。
濡れた雑巾で桐たんす表面を拭くなんてことはもってのほか。
厳禁です。
では乾拭きならいいのか??
いえいえ乾拭きも厳禁です。
乾拭きは、桐たんす表面の汚れ防止である「トノ粉」をふき取ってしまうことになるので厳禁なんです。「トノ粉」がなくなると桐たんす表面の汚れ防止効果が薄れ、短期間で黒く変色してしまいますのでご注意ください。
じゃぁ、一体どうしたらいいの???
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結論から言うと、桐たんすのお手入れは、表面についたホコリを軽く払う程度で十分です。何でホコリを払うかといえば、そうですね、毛ぼうきがよいのではと思います。
このような物ですね。
見たことあるでしょう。
この毛ぼうきで、桐たんす表面のホコリをたまに払う程度でお手入れは十分だと思います。
頻繁に行う必要はありませんが、だからといって何年も行わないとホコリがたまりますから、年に一度程度、大掃除の時にでも軽く行えばよいと思います。 また桐たんすの設置場所は、直射日光が当たらない場所で、湿気の少ない場所がよいですよ。直射日光が当たると変色が短期間でおきますし、湿気が多いと桐たんす表面にカビが発生する場合がありますからお気をつけください。
よくお嫁入りのお道具として桐たんすを持参される時は、油単(ゆたん)という桐たんす全体をすっぽりと覆いかぶせてしまう物を一緒にお持ちになられましたね。家紋を入れることが多かったです。この油単は桐たんすのホコリよけの意味合いもあったかと思います。
今ではすっかり着物を着る習慣が減り、それと同時に桐たんすの需要も減ってしまったので、お手入れ方法を知らない方もいるかと思いますのでお役に立てたなら幸いです。
この「毛ぼうき」は、安田屋家具店で販売していますのでお気軽にお申し付けください。また安田屋家具店ネットショップ「ぎふ楽市楽座」でも販売しています。
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