お客様より廊下に設置したいので奥行きが小さい下駄箱を探しにご来店された。一般的な下駄箱の奥行きは小さくても400㎜はある。もっと小さいサイズを希望されていたので、家具専門店としてはあまりお勧めしたくないのですが、カラーボックス的な組立家具をご紹介した。
両開き扉付で奥行きは360㎜と小さく、お客様のご希望にかなった。ご注文をいただいた商品が入荷してきたので早速、組立作業を四代目が行った。全ての部品が揃っているか確認した後、ざっと組立説明書を読み、組立完成後の写真を確認する。家具専門店のプロなので、完成図を見るだけで組立はできちゃいますが、一般の方はよく読まれてからの組立作業をされることをお勧めします。
まずは側板と中板と地板と仕切り板を接合します。このときの接合は大概木ダボを使用するので、木ダボを入れ込む穴にたっぷりと付属の木工用ボンドを充填します。ボンドははみ出るくらいたっぷりと入れます。はみ出たボンドは、水雑巾できれいにふき取ります。
また説明書には書かれていませんが、組立家具の修理経験から、接合部の木口にもボンドをたっぷりと塗ってから各板と板を接合します。この時もボンドがはみ出るくらいたっぷりと塗ります。
木ダボの接合の後、付属のネジでしっかりと接合します。この時にはみ出たボンドは接合後に速やかにきれいに水雑巾でふき取ります。まっ、多少拭き取りが残ってもボンドは無色透明になるのでそれほど神経質になることはありません。組み立て中の本体を接合しやすいように立てたり、寝かしたりして作業を行います。
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側板、地板、天板、背板の全ての部材を取り付けたら、完全に接着させるためにかなづちで天板をたたきます。この時天板を直接たたくと傷がつきますので、木や雑誌などを当ててからたたいてください。またあまりたたきすぎると天板に穴が開きますので力を加減してください。この作業は特に天板のみが木ダボだけでの接合となりますのでかなり重要です。他の場所は木ダボでの接合後にネジ止めを行ないますので、かなづちでたたく必要はありません。
これで本体の完成です。
所要時間約20分。
【ここまでの作業でプロからのアドバイス】
説明書には書いてありませんが、必ず接合箇所の木口にはたっぷりとボンドを塗ってから接合してください。ダボやネジ止めだけでは、使用中にガタツキが起きてしまいますので、この作業は重要です。また付属のボンドでは足りませんので、木工用ボンドを事前に別途購入してから作業を行うことをお勧めします。
本体が完成したら、扉の取り付けです。
組立家具は、価格を安くするために全ての組立作業をお客様自身で行うようになっています。そのため扉取り付けのためのスライド丁番も取り付けなければなりません。扉に開いている穴に付属のスライド丁番を入れ込み、開いているネジ穴に付属のビスを入れて固定します。
扉にスライド丁番を取り付けたら本体に扉を取り付けます。スライド丁番が取り付けやすいように本体側板には取り付け用のビス穴が開いています。扉に取り付けた上部のスライド丁番の上のネジ穴と家具側板の一番上のネジ穴を合わせてビスで仮止めします。
【この作業でのプロからのアドバイス】
扉を取り付ける際に、扉の下部に3㎜前後の厚みのベニヤ板などを差し込んでから、扉下部のスライド丁番を家具側板に固定します。この作業をすることによって、扉と地板との間にわずかな隙間を作り、扉が地板や天板にあたらないように調整できるんです。これって以外に簡単で重要なことなんですよ。
スライド丁番の全てのネジを止めて扉を取り付けます。
取り付け後には取手金具、マグネットキャッ受けを扉に取り付け完成です。説明書通りではね。
【プロからのアドバイス】
背板は付属のプラスチック製部品で固定するようになっていますが、数量が少ないんです。そこで細い針釘を本体の裏面から、背板と側板の接合箇所に斜めから打ち込んで固定します。全部で6箇所程度針釘で固定すれば、下駄箱はより強固に組み立てられ耐久性がググッとアップします。あともうひとつ。背板を取り付ける時に、背板を入れ込む溝にも木工用ボンドを入れて下さい。これにより強度が増します。
作業を始めてから約25分で完成しました。
家具専門店のプロとして、家具に携わって30年のプロとしての隠れた技で一般の方の組立よりも丈夫で耐久性のある組立家具が完成しました。
組低費用は、今回の大きさのもので税込5,000円です。安いか、高いかはお客様の判断にお任せしますが、後々のことを考えるとかなり安い費用だと思います。
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