四代目が横浜 伊勢崎町に立地していた「双葉家具」で家具屋修行をしていた23歳ころ、今から40年前、1980年代のことですが、音響機器メーカーである「SONY」「ビクター」「ヤマハ」がどういうわけか家具業界に進出してきた時代がありました。婚礼家具や鏡台も作っていましたね。
当時、双葉家具4階に配属された四代目は、ベッド、ベッド用品、ワードローブ、カーテン、カーペット、学習机の担当でした。ある日、展示商品として「ヤマハ家具」の洋服タンス等のシステム家具、鏡台が入荷し、「ヤマハ」が家具作るんだという印象が今でも強く残っています。
ただその後、わずかな期間でどこも撤退しちゃいましたけどね。懐かしい想い出です。
本日、お客様からそんな時代の「ヤマハ家具」製のキッチン扉の金具が破損したので取替えたいとご相談がありました。金具も送られてきました。
初めて見る構造の丁番です。
通常、丁番本体と受座金具の2種類に分離するのですが、今回の金具はスライド丁番本体がアーム部分でも脱着できるようになっていて、3分割になっています。
開き角度も大きく曲がります。
扉の現物を見ていないのでわかりませんが、通常の片開き、両開きのような扉に使用される丁番ではありませんね。
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スライド丁番本体の前部のみ。
丁番と受座金具はワンタッチで接合できるタイプであることがわかりました。丁番後部の構造を見ればわかります。
丁番の刻印を確認してみると「Hettich」の文字が。「ヘティヒ」と呼びます。ドイツの金具工場の商品です。
当時の最新技術である舶来金具を使用するあたり、「ヤマハ」である所以が感じられます。ミーハーなわけです。複雑すぎるのを好むのでしょうね。壊れた時の未来を考えて欲しいものです。
「Hettich」(ヘティヒ)を調べると、日本代理店がありましたので、すぐに問合せです。
30年ほど前のヤマハ製システムキッチンの扉に使用しているHettich刻印のワンタッチヒンジが破損しました。旧い金具のためまったく同じ金具は現存しないと考えますが、現在の金具で代替えできる商品があるのか教えてください。
カップ径は35mm。深さは10mm程度です。丁番本体には「2690」の刻印があります。カップ裏側には「3453 57」の刻印が゛あります。受座金具側には「3463 53」「0025 212」の刻印があります。
直ぐに返信があった。さすが一流企業です。
破損されたスライド丁番本体は商品リニューアルしております。現在の新しい後継金具で代替えできます。 おそらくお使い頂いている開き角度は20度/90度ですが現行品は50度/65度です。
受座金具は廃番の為、代替品のご紹介です。代替え品と、ご使用の商品は軌跡の違いがある為、1枚の扉上下で併用できません。
1枚の扉は破損されていない箇所も代替え品で揃えて取付をお願い致します。 新旧の金具が混在して取付いていないようにしてください。
代替金具である後継金具の写真が送られてきました。つづく
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