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KAZAMA籐椅子修理

 籐椅子修理の持込がありました。
 インターネットでご購入された商品とのことでした。

椅子本体が回転するタイプです。

なかなかしっかりとした作りの椅子です。
安価な商品ではないですね。
で、どこの工場の製品だろうと椅子の後を見てみると・・・・、

あります、あります、工場のロゴシールが。
「KAZAMA」とあります。

 「KAZAMA(カザマ)」とは、横浜にショールームがある籐家具工場の老舗「風間」です。安田屋家具店でも以前はよく取り扱っていました。そうですね、今から30年ほど前、籐家具といえば「コスガ」か「カザマ」の商品しか取り扱っていませんでした。その他の商品には、洗練されたデザインがなかったですからね。四代目が22歳から25歳まで修行をしていた、横浜中区関内、伊勢崎町にあった「双葉家具」にいたときは、本当によく販売させていただいた家具でした。懐かしいーー!!!

 さて今回のご修理内容は、向かって右肘の接合部が外れてしまったため、グラグラしているという状況です。

 接合の籐皮による巻き仕上げ部分も切れてほつれてしまっています。籐皮による巻き直しはかなり大変な作業と手間となってしまい、修理費用が高くなってしまいそうなので、なんとか巻き直し修理はしないで肘の接合のみできないか考えて見ました。

 
肘を縦の接合に対して座面にダボを入れて固定する。さらに横の接合に対しては、肘の外部から木ねじを使用して座面の側面に固定接合させる方法しかないだろうと判断しました。ところが・・・・、

 縦方向の接合のためにダボを入れようとした箇所には、折れたビスが見えました。さらに横方向からネジを入れようとした箇所にも折れたネジが見えます。

 商品の構造として、縦方向、横方向とも木ねじを使用して肘と座面を接合し、さらに籐皮にて巻き仕上げがされていたと言うことがわかりました。四代目と同じ考えです。というか、その方法しか固定できない構造ですから、家具業界人であれば誰でも思い浮かぶことですかね。

 ともあれ、折れて埋まっているネジを取り除かないと新しいネジで止めることができません。これは大変なこととなります。安田屋家具店の職人では少々難しいというか、籐材料を持っていませんので思い切った作業をすることができません。困った!!!

どうしよう。

 「KAZAMA」のホームページを確認すると同じ商品の写真がありました。修理内容がここまで重症であれば、製作した工場に依頼するしかありません。どの程度の修理費用がかかるのか、一度見積をしてもらうことにしました。自社商品でもあるわけですから、よい商品を生産・販売している以上、「KAZAMA」のプライドにかけて、採算度外視での修理見積を期待しましょう。

 今の知辛い世の中では・・・・、ちと難しいかな。

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9月 16, 2011 · Posted in 籐家具修理  
    

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