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時代たんすリフォーム 前

 お客様のお母様のお母様がお嫁入り時に持参された婚礼家具である「桐塗りたんす」のリフォーム相談がありました。お話をお聞きすると約100年前のたんすでした。

 たんす本体と上置がありましたが、上下で仕上げ方が違っています。もともとこの状態でのたんすだったのか、途中で上置が入れ替わってしまったのかは定かではないようです。

 たんす本体枠は黒色漆塗り。引出し前板は桐材、内部は杉材でした。引出し前板が茶色になっているのは、どうやら漆が塗ってあったようです。桐たんす本来の仕上げ方である「トノ粉」仕上げが百年経過して茶色に変色したようではなさそうです。

 上置は、外面全て赤茶色の漆塗りです。ふすま戸のふすまは包装用紙で応急補修が施してあります。木部の痛みは、前板の欠損、背板・引き出しの割れなどがあり、かなり重症です。とって金具は全て揃っていますので、現在の金具のサビを落として黒色に塗替えて再使用します。この金具、現在のように機械で作っていません。手打ちの金具なのでゴツゴツしていて味わい深い金具です。新しい金具に取り替えるなんてもってのほかです。

 余談ですが、骨董屋さんは、この金具だけ買い取ることがありますし、アンティークショップではこの昔の金具だけを販売していることもありますので、貴重な金具なんですよ。もし古いたんすを持っていて、廃棄しようと考えている場合、金具だけ取外してアンティークショップに持ち込めば、買い取ってもらえると思います。

「もったいない、もったいない」
捨てればゴミですが、再利用すればお金になります。

 修理方法としては、たんす本体・上置ともに金具を外し、お湯で表面の汚れやあくを洗い落とし、乾燥後に木部の補修を行い、再塗装を行います。本体と上置の色の違いは、上置の現在の塗装を全て削り落とし、引出し前板には桐板を貼り、本体と同じ塗装、仕上げにすることとしました。さらにふすまに関しては、上置台を単体でテレビボードとして設置したいとのことなので、スリガラスに取り替えることとしました。

 リフォーム後はお客様のお嬢様の御婚礼家具として持参されるそうです。ご結婚式まで1ヶ月しかありません。その前に納品して欲しいとのご希望でしたので、たんすをお預かりして、急ぎ職人の工房に向かう四代目でした。修理期間としてはギリギリの日数ですが、なんとしてでも間に合わせなければなりません。

1月 15, 2012 · Posted in 古い民芸家具リフォーム  
    

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