安田屋家具店

へこんでしまった部分を削って修理すると、その部分の溝の幅が現状より少し幅広となってしまいます。すると丸芯材を溝に決め込む際、その部分がユルユルとなってしまい強度が落ちます。またヘコミ傷を平らに削っても、その部分に籐丸芯材が入り込みませんので、現状と同じ隙間が生じた状態となります。修理後の状況は現状とあまり大きく変わらないものと考えます。

この修理の場合は再度籐シート材を取外す必要がありますので、再張替となります。

ヘコミが気になる場合は、木材補修用パテ材を埋め込めば隙間が無くなりますので、ヘコミ傷は目立たなくなります。ただ若干籐丸芯材との色違いが生じます。

次に籐シート材を決め込むための籐丸芯材の長さ調整がうまくいかずに少し短くなってしまい、ジョイント部分に隙間が生じてしまったケースです。

補修するには丸芯材を取外さなければなりません。通常この丸芯材は溝に叩き込む際に接着剤を使用しています。そのため取外すと恐らく籐シート材が破れることが考えられますので、籐丸芯材のみを取替えることは技術的に難しいと考えます。

となるとやはり座面籐シート材の再張替となってしまいます。

チェスカチェアー座面のみの張替費用は１脚税込18,000円です。(籐シート材は写真と同じ五分カゴメ編み籐シート・生地仕上げ) 往復送料が別途必要です。(2024年当時)

張替えたばかりの籐シート材を直ぐに張り替えるのは少々もったいないと思います。使用に関しての強度的には全く問題はありません。一度目に着くとどうしてもその部分のみ目にとまってしまいまいますが、急ぎ張替えるよりも、次回破れた時に今回の部分を含めて修復することをお考えになられる方がよろしいかと考えます。

どうしても気になる場合は、木材補修用パテ材を埋め込む方法がよろしいかと思います。

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今回の張替作業において、この補強材らしき白色の布地を取り除きました。そして籐皮を撚った籐バンドを十文字上に座面裏側に取付ける「十文字補強」を行いました。

この籐皮を撚った籐バンドはまず切れることはありません(絶対に切れないということではありません)。張替前に取付けてあったメッシュ状の布地よりもはるかに強度が高く、籐シート材が荷重によって下方に下がるのを十分に防止します。

チェスカチェアーに座った時、この十文字補強材である籐バンドが荷重の多くを支え、籐シート材にかかる荷重を軽減させます。これによって籐シート材が下方に伸びるのを防止し、耐久性が高まるのです。

籐バンドは座面表面からはほぼ見えません。そのため違和感は全くありません。

籐シート張りの座面は、「手編み仕上げ」の強度を１００とすると、チェスカチェアーの座面に使用されている「溝決め込み仕上げ」の強度は５０と半減します。「手編み仕上げ」の強度は高いのですが、大変な労力が必要となるため現在の市販品の椅子ではほとんど行われません。一部の高級家具に使用されているのみで「溝決め込み仕上げ」がほとんどです。

しかし籐シート材に使用されている籐材の強度が年々劣化しています。そのため直ぐに破れてしまうなどクレーム対象となるため、座面も背面も籐シート材仕上げの椅子は現在ではほとんど見当たりません。

２０２３年６月の張替修理費は
籐シート材張替 税込１８，０００円
十文字補強取付費 税込６，０００円
送料　　　　　　　　１，０００円
——————————————-
合計金額　２５，０００円

送料はお客様の住所によって変動しますのでご了承ください。

チェスカチェアー座面、背面ともに籐シート張替を希望される場合は、安田屋家具店にご連絡ください。または直接張替える座面部材、背面部材を直接お送りください。現物を確認してご提案させていただきます。お気軽にご用命ください。

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メッシュ状の布地が取付けてあります。籐シート材の下に敷いて、一緒に決め込み仕上げで取付けてあります。恐らく籐シート材の補強材になっているのだと思います。

メッシュ状の布地では、ないよりは少し強度が増すかもしれませんが、籐シート材と一緒に荷重によって下方に伸びていきますので、一緒に破れてしまいます。強度を高める補強材の役目はあまりないと思います。

それよりもこの布地と籐シート材を木部渕周りの溝に一緒に入れて、籐丸芯材で押さえ込んであるため、両方が外れやすくなって待っているのではないかと四代目は思います。

昔に比べて籐材の強度が低くなっていて、籐シート材が破れやすいために布地での補強を取り入れたのでしょう。

背面の破れは無いので、今回も座面のみの張替です。使用する材料は「五分カゴメ編み籐シート材」生地仕上げです。無着色・無塗装の生地仕上げのため、張替えない背面の籐シートの色と当初は異なり違和感がありますが、年数経過とともに新しい籐シート材の色が変化していき、数年後には同じ色となります。年数経過による色の変化をお楽しみください。

チェスカチェアー座面は面積が大きいため、座った時の荷重によって籐シート材が下方に伸びやすくなっています。それが破れる原因となっています。

そのため安田屋家具店では、籐皮を撚った籐バンドを座面裏側に十文字に取付ける「十文字補強、またはより強度が増す井桁状に取付ける「井桁補強」を取付けることをお勧めします。籐バンドはまず切れることはありません。(絶対に切れないということではありません)

今回のお客様にも「十文字補強」をお勧めし、ご用命賜りました。修理期間は約１週間です。仕上がりまで今しばらくお待ちください。

２０２３年６月の張替修理費は
籐シート材張替 税込１８，０００円
十文字補強取付費 税込６，０００円
送料　　　　　　　　１，０００円
——————————————-
合計金額　２５，０００円

送料はお客様の住所によって変動しますのでご了承ください。

チェスカチェアー張替を希望される場合は、座面または背面部材のみを椅子本体から取外して安田屋家具店に送ってください。現物を確認次第ご連絡させていただきます。お気軽にご相談ください。

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