四国・高松は、漆工芸の産地でもあります。
象谷塗(ぞうこくぬり)、後藤塗(ごとうぬり)、蒟醬(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)という多くの技法を持つ漆芸王国です。

そんな高松から象谷塗の商品が入荷してきました。

安田屋家具店が高松の漆器を扱うのは、高松が家具産地であり、家具展示仕入れ会に赴く時に一緒に購入できるからです。家具と漆器、木地を使用することでは同じ部分があります。さらに高松は座卓の産地でもあり今も継続していますが、各工場とも時代の流れとともに製作する商品も変化していっています。

今回の仕入先は昔からお世話になっている漆器屋さんです。
久しぶりのお取引となってしまいました。
巷に出ている商品よりも良いものが欲しいと思い連絡をしたところ、「昨今ではそんな手の込んだいい商品は出ませんよ」と言われてしまいました。しかし巷に出ているものと同じものを扱っていてはダメですので、昔のように手の込んだ、通常よりも3工程も5工程も多くした良い商品を作って欲しいと頼み込みました。すると漆器屋さんから「ちょっと替わります」と言われ、電話口に出たのがなんと安田屋家具店がながぁーーく取引している座卓屋さんの社長でした。「安田屋さん、最近注文がないねぇー」と言われてしまいました。さらに続けて「漆器屋さん困らしたらいけんよ、まっ私からも頼んでみるけど」と言ってくれました。この漆器屋さんと座卓屋さんの社長は仲の良い友達だそうです。そんなこんなで入荷してきた商品です。

今回は「象谷塗」の銘々皿と茶托と尺盆の3種類です。
その中で今日は尺盆をご紹介します。

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4月 21, 2012 · Posted in 商品紹介, インテリア雑貨  
    

一昨日まで3日間「象谷塗」商品として、尺盆、銘々皿、茶托をご紹介いたしました。
ここで「象谷塗」の製造工程についてもう少し詳しくご紹介します。

【 象谷塗ができるまで 】

木固め
材料である栃の樹をくりぬいた白木地に生の漆だけを使い塗り込んで行きます。
これにより木固めを行います。
これから行う全ての工程の基となる、たいへん重要な作業で す。

木地研ぎ
ロクロを使い木地を研ぎつけていきます。
この作業により、表面をなめらかにすると同時に、次の塗りとの接着具合を良くする効果もあります。漆器を造る場合 の研ぎには、水と耐水研ぎペ-パ-を使った水研ぎを多用します。何回も塗り重ねる場合などには、塗りと塗りの工程の間に、この水研ぎの工程が入ります。
例 えば5回塗り重ねる場合には、水研ぎが塗りと塗りの間に4回入ります。
この水研ぎに使う耐水ペ-パ-は、工程が進むにつれて 表面が粗いペ-パ-から細かいペ-パ-へと使い分けて行きます。

塗り重ね
ふたたび生漆だけを使い数回塗り重ねを行います。
塗りと塗りの間には水研ぎの工程が入ります。漆は1回塗ると1日は乾きません。
つまり5回塗り重ねる場合 は最低5日以上の日数を必要とします。
また、塗りを入れた後は、その表面がしっかりと乾いてから次の工程へ進むことが重要となります。

塗り込み
生漆を接着剤代わりにして、まこもと呼ばれる黒い粉末(川辺に自生するコモガヤの一種で、黒い実の部分を磨りおろして、黒い粉末にします。おもに漢方薬な どに使われています。)を塗り込みます。
象谷塗りは、この黒い粉末が木地の渦文様の中に入り込み、渋味のある黒色のツヤを生み出します。
漆は基本的には耐 水性を増すための塗料として使われてきましたが、時にはニカワや餅米と混ぜて、接着剤代わりに使用することもあります。先人たちは、漆を万能塗料として 使っていたようです。

ツヤだし
ふたたび、ロクロを使って表面を研ぎつけた後、生漆を使ってツヤを付けて行きます。
この工程が渋味のある黒色半ツヤの基になります。
このツヤ付けの工程 は、奥深いツヤを出すために、数回に分けて少しずつ行います。
2~3回でツヤを付けてしまうと、表面だけからはツヤが出ますが、器物の奥からの重みのある ツヤは出てきません。
漆独特の奥深いツヤは、この工程を数回に分けて行うことで生まれてくるのです。
漆器を造る場合は、決して急がないことです。

上塗り
渕の部分を研ぎつけた後、渕に黒漆で中塗りを入れます。
(中塗りとは、仕上げ塗りを入れる前に行う、下塗りのことです)
もう一度、渕部分を研ぎつけて黒 漆で上塗りを入れます。
(上塗りとは仕上げ塗りのことです)
渕が塗り上がったら、最後に生漆を使い全体のツヤを整えて完成となります。
日数として30~35日で仕上がります。

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4月 27, 2012 · Posted in 商品紹介, インテリア雑貨  
    

安田屋家具店に入荷しても、すぐに在庫切れになってしまう商品があります。

2年前に飛騨・高山で開催された家具展示仕入れ会「飛騨・高山 暮らしと家具の祭典」で見つけた「つみぼぼ」という知育玩具です。飛騨の玩具「さるぼぼ」の形によく似ている人型の積み木です。積んで遊ぶので「つみぼぼ」という名前なんです。

つみぼぼ 

「つみぼぼ」は、高山の木工職人 上野さんが手作りで作っています。大量生産ができないので、一度人気が出るとあっという間に在庫がなくなってしまうんです。日本国内はもちろん、海外へも「つみぼぼ」は旅立っています。

地道に「つみぼぼ」の良さをアピールしてきたのですが、今、生活総合情報サイトAll About(オールアバウト)で、なんと「つみぼぼ」が紹介されているんです。効果は絶大で、全国からのお問合せやご注文の数が日々多くなってきています。

■木の国・岐阜生まれの、新発想おもちゃ「つみぼぼ」

そのため安田屋家具店の「つみぼぼ」在庫も入荷してはすぐになくなるという状況が続いています。在庫がなくならないように注意を払っていますが、大量生産ができない「つみぼぼ」なので、上野さんとの連絡を密にしなければと考えています。

また、「つみぼぼ」は2013年のグット・トイの最終選考会に今まさに残っているんです。グッド・トイの認定を受けることができるか気になるところです。グッド・トイ授賞式は6月15日にあります。認定されるとますます人気に拍車がかかる予感がします。

がんばれ!! 「つみぼぼ」!!

グッド・トイとは、NPO法人日本グッド・トイ委員会が、市場にあふれるおもちゃの中から優良なおもちゃ「グッド・トイ」を選び普及させ、グッド・トイを通して日本のおもちゃ文化を向上させ、子どもと大人の「遊び力」を育むことを目的に毎年「グッド・トイ」認定を行っています。

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6月 3, 2013 · Posted in インテリア雑貨  
    

ただいま今年の「グッド・トイ」の最終選考に残っていて、「グッド・トイ」賞に受賞されることを願っている知育積み木「つみぼぼ」は、1982年に飛騨高山の上野良一さんによって設立された白百合工房にて、手作りで作られています。

上野

白百合工房は無垢材にこだわり、注文家具、クラフト、おもちゃを製作していて、現在は上野良一さんご子息が2代目となり、飛騨最高齢の現役職人の父、2代目、そして頼りになるスタッフ数名で伝統工法にもとづいた飛騨の木工をしています。もちろん「つみぼぼ」もつくられています。

2代目のこだわりは、教員経験にもとづく、おもちゃづくりです。
そのおもちゃづくりにこだわり完成した「つみぼぼ」の遊び方を安田屋家具店でもご紹介します。
今回はつみぼぼ9体を使用して、ぐるっと円を描いてみました。

つみぼぼ1

簡単そうに見えますが、なかなかバランスをとるのが難しいんですよ。円形左右の横たわったつみぼぼ2体が絶妙に支えているんです。 上野さんご自身で積まれた「つみぼぼ」を順じご紹介していきます。 つみぼぼは安田屋家具店のネットショップ「BASE SHOP」でお買い求め頂けます。

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人気爆発で品薄状態が続いていますのでお早めに・・・・。

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6月 7, 2013 · Posted in インテリア雑貨  
    

飛騨・高山にて、手作りで作られている知育玩具「TUMIBOBO (つみぼぼ)」が、発売してから2年目にして、ついに、ついにグッド・トイに認定されました。

つみぼぼ

グッド・トイ2013 選定玩具35点の中の一つとして「TUMIBOBO (つみぼぼ)」が認定されました。

6月15日に東京にて授賞式が開催されました。
製作者の上野さんが授賞式に出席されましたので、そのご報告はいずれしたいと思いますが、現在は受賞の喜びにひたりつつ、「TUMIBOBO (つみぼぼ)」の製作に忙しいため、少々ご報告が遅くなりますことをお許しください。

「TUMIBOBO (つみぼぼ)」以外にグッド・トイ2013に選定された玩具は次の34点です。

気分屋けん太くん独楽工房 隈本木工所<福岡県>
ちびっこ大工道具セットストローファーム <高知県>
モニュメントさざなみ三浦木地<北海道>
プレイドールハウスプラントイ社<タイ>/プラントイジャパン(株)
メイズMtoysアトリエ <京都府>
わごむパターンボード(株)くもん出版 <東京都>
マザベルシャムウッデントイズ社 <タイ>/エデュテ(株)
わつみの遊木シリーズ『双』積木工場わつみ <愛知県>
トントン紙ずもうコクヨS&T(株)  <東京都>
ひっつきむしの積み木夢工房ももたろう <埼玉県>
魔法のオーケストラバタット社  <カナダ/アメリカ>/(株)学研ステイフル
ロディレードプラスティック 社<イタリア>/(株)ギムニク
だるまさんがころんだジョイ ライフ ワークス<愛知県>
馬場雄二のひらがなはかせ もじコロ幻冬舎エデュケーション <東京都>
おばけキャッチツォッホ社 <ドイツ>/メビウスゲームズ
お話積み木ウッディいるま社<埼玉県>
algo(株)学研教育出版 <東京都>
バルーンズアミーゴ社 <ドイツ>/ (株)ブラザー・ジョルダン
クラック同 上
バードハウスファインデザイン<東京都>
ぼたんはめ時計自由学園工芸研究所 <東京都>
パリナハペ社 <ドイツ>/(株)モーカルインターナショナル
ヘキサカスポピュラープレイシングス社<アメリカ>/(株)ボーネルンド
マグフォーマージムワールド社 <韓国>/(株)ボーネルンド
パープレクサス・ルーキープラスマート社 <カナダ>/OHSサプライ (同)
ランプウェイMOKUMOKU工房    <石川県> 
jelikuチャンジェンエンブレム社<台湾> /(株)ジオジャパン
Plus Plusプラスプラス A/S社<デンマーク>/(株)ジオジャパン
おとぎの国の積木ちゃんゆき工房 <埼玉県>
メモリーゲーム(神経衰弱)けいかお <宮崎県> 
コロコロできるおおきなブロックローヤル(株)<東京都>
きのこのこのこ銀河工房   <長野県>
六角ひねり積木同 上
森のどうぶつみき(※)オークヴィレッジ(株)   <岐阜県>

「TUMIBOBO (つみぼぼ)」製作地と同じ飛騨・高山に工房がある「オークヴィレッジ」の森のどうぶつみきも選定されています。飛騨・高山から2点も認定されるなんて、岐阜っていいなぁ~~!!

「グッド・トイ」とは、あふれるほどの日本のおもちゃ市場。
発売後すぐに消えていくおもちゃも少なくありません。
そのような市販のおもちゃの中から優良なおもちゃ選びの指針となるよう、1985年にグッド・トイ選定活動はスタートしました。 人は遊びを通して五感やコミュニケーション能力を養い、夢を育てます。優良なおもちゃ「グッド・トイ」とは、その手助けをしてくれるおもちゃだと考え、おもちゃコンサルタントが選定活動を行っています。

今回グッド・トイとして認定された「TUMIBOBO (つみぼぼ)」は「グッド・トイマーク」をつけることができ、その優位性を示すことができます。消費者のみなさんに優良なおもちゃを選んでいただく指針として、グッド・トイマークが役立っています。

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6月 16, 2013 · Posted in インテリア雑貨  
    

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