先日お客様から切実なメールが届いていました。
 「大阪・京都で何件か相談しましたが張替を断られた椅子があります、一度画像を参考にお見積りお願いいたします。」 メール文と一緒にその椅子の写真が添付されていた。何とか修理できないか、各方面に問合せをしました。特殊な椅子のため、中には初めて問合せをする工場もありましたが、お客様のためです。

パイプフレームの椅子本体に厚革を包み込んで縫製してあります。
手縫いではできません。
専用の機械が必要となりますが・・・・・、その機械を持っている職人がいません。

5件の職人工房に確認を取りましたが、各工房ともこの厚革を縫いこむためのミシン機をやはり持っていませんでした。そのため縫い込み作業ができないとのことで、残念ながらご相談の椅子の張替修理は当店にてはお請けできないご報告となりました。

カリモクなどの大きな工場であれば、ミシン機などを持っていると思われますが カタログ掲載商品を製作するためのもので、修理などは受けていないようです。 このデザインの椅子の張替は、難しいかと思います。

安田屋家具店でも修理できないものがありました。残念です。

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6月 6, 2011 · Posted in 椅子張替え  
    

東京のお客様からカリモクソファーの張替修理に関するお問合せが、添付写真とともにありました。

平成7年に入谷の谷口家具で、カリモク製の4客セットのL字型配置の本革張りのソファーを、あえて5客購入しました。長年愛用してまいりましたが、座面と背面が白く剥げてきましたので、張替を考えております。しかしながら座面と背面が後から取替えられるように、ぐるりとファスナーがついています。自分で取り換えるのは難しいようですが、せっかくこの様な造りになっていますので、部品の取り換え方をご存知の方ならば、本職の職人さんでなくとも張替えが可能なのではないかと思いますし、そのような説明を受けて購入しています。張替えの予算は8万円以内です。出張して頂く場合と、引取って頂く場合での見積をお教え下さい。どうぞよろしくお願い致します。

チャック部分

 添付写真を見ると片肘椅子2脚、肘無し椅子2脚、コーナー椅子1脚の5店セットのようですです。早速写真とご購入時期をもとに安田屋家具店の資料庫から当該商品の資料を探し当てました。1995年カタログに掲載してありました。

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8月 5, 2011 · Posted in 椅子張替え  
    

 1970年代に流行したヨーロピアンデザインのクラッシックな応接セットの張替えのご希望がありました。今回お預かりした応接セットは、四国・香川県高松市に工場がある「モリシゲ」が製作した『アトラス』という商品です。当時この商品は、安田屋家具店の大ヒット商品だったそうです。当時からいるスタッフが懐かしんでいました。

 このデザインの応接セットは、モリシゲだけでなく、マルニ、カリモクなどの名だたる家具工場が、同じようなデザインの商品を製作し、競い合っていました。当時は今のように「リビングセット」ではなく、応接間に置かれる「応接セット」と呼んでいました。現在では応接室そのものが家の中から消滅したことによって、家族団らんの時を過ごすリビングルームに置くので「リビングセット」と呼ばれるようになりました。

 当時の応接セットと現在のリビングセットを比べてみると、最大の違いは、横幅、奥行サイズです。とってもコンパクトサイズなんですね。横幅は1800~1900㎜前後、奥行きにいたっては700㎜前後と非常に小ぶりなサイズであったことを実感します。最近のリビングセットは横幅、奥行きともに大きいですからね。お部屋の大きさから考えると、当時のサイズが日本のリビングルームには合っているように最近思います。

 今回ご修理する応接セット「アトラス」は、背・座クッションは取り外しができるようになっています。しかし椅子本体も共生地で総張り仕上げになっていますので、少々張替え費用がかかる構造です。座クッション中身は、かなりのへたり具合なので、新しいウレタンクッション材に取替えなければなりません。背もたれクッション材のへたれはあまり無いようなので、現在のクッション材のを芯にしてその周りを新しいウレタン材を巻いて補充します。肘部部の木部の塗装は、はがれている部分がり、張替え時に行なわないと塗替えができなくなるので同時に塗り替えを行います。

 使用している生地は合成皮革(ビニールレザー)なので、今回も同種類の生地を使用します。生地の色は、お客様のお部屋のイメージを変えたくないとのご希望で現在と同じダークブラウン色にしました。両肘椅子×2、3人掛けソファー×1脚を安田屋家具店専属の張替え職人の工房に持ち込みました。

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11月 7, 2011 · Posted in 椅子張替え  
    

 座面が籐で張ってある食堂椅子のご修理に関しての問合せが多くありますのでご紹介します。座面が籐で張ってある食堂椅子の多くは曲木椅子でした。ブナ材を曲げて製作した曲木椅子のフレームはもともと軽いのですが、さらに座面も籐張りにすることによってさらに軽い椅子になっています。15年以上前の商品としては「秋田木工」製作の曲木椅子が代表的な商品でした。

 その後、東欧などからの安い曲木椅子が市場に多く出回り、「秋田木工」は廃業してしまいました。現在は大塚家具グループの子会社となりました。そして大塚家具オリジナルとして、かつての「秋田木工」の商品を製作しています。大塚家具でしか購入できないオリジナル商品となった「秋田木工」の曲木家具の価格は、かつての「秋田木工」価格の2倍くらいの高値をつけて販売しています。

 座面に使用される籐シートの材質が悪くなり、耐久性が3分の1程度に落ちてしまったため、最近では座面が籐張りになっている食堂椅子はなくなりました。座面が籐シートの場合、とっても軽くてよかったんですけどね。

 曲げ木椅子に使用される籐シートは「カゴメ編み」です。ます目が少し大きめの「五分カゴメ編みシート」が使用され、無着色の生地仕上げです。年数の経過とともに最初は白っぽかった籐シートが徐々にアメ色に変化していくよさがありました。

 さて座面の籐シートは消耗品であり、平均15年~20年前後で籐シートが破れてしまい張替え修理を考える時期となります。

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11月 19, 2011 · Posted in 椅子張替え  
    

 「チターノ」製作のソファー張替えに関するお問合せがありましたのでご紹介します。

 「チターノ」とは、カリモクの別ブランド名で、カリモク商品とよく似ているがデザイン的に少し違えた商品を製作していました。というのもカリモク商品を展示する家具店が多々あった当時、商品展示の重複を避けるために別ブランド商品を開発したのでした。また大型店のオリジナル商品として取り扱っていたこともあったようです。価格的には、カリモクブランド商品よりも安かったと記憶しています。いずれにしても名前は「チターノ」ですが、製作していたのはカリモク工場でした。

 さて今回ご相談いただいたソファーは・・・・・、

 座高がかなり低いタイプのリビングコーナーセットです。
 左片肘椅子×1、肘無椅子×1、コーナー椅子×1、二人掛け右肩肘椅子×1脚のコーナー4点セットのようです。生地は革張りタイプのようです。早速、安田屋家具店の資料庫に行き、昔の「チターノ」カタログを探し出しました。1990年12月製のカタログを見つけました。

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12月 19, 2011 · Posted in 椅子張替え  
    

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