ここ最近、過去のデザインの見直しがおこなわれています。
安田屋家具店では以前から、30年、40年前に作られた家具で、今でも通用する素晴らしいデザインの家具があるのに何故今作らないのだろうと常々考えていました。以前ご紹介した広島に工場があるマルニの「ショパン」などなど、各工場には過去のデザイン的財産をたくさん持っています。安田屋家具店にて保管してある過去の各工場のカタログを見るたびにそう思いました。そして毎年の展示会で、新しいデザインの商品を出すばかりでなく、過去のデザインを見直したほうが絶対にいいですよと展示会があるたびに取引先の工場に繰り返し伝えたものです。

 しかし時は大量生産⇒大量消費⇒大量廃棄⇒・・・・・、という循環の真っ只中。聞く耳を持つ工場はありませんでした。時が過ぎ、大量生産、消費の時代は過ぎました。そんな時代になったからこそ、各工場では過去生産されたデザインの見直し、復刻を行なうようになりました。時代が移り変わっても、しっかりとしたデザインで生産された家具は、いつの時代にでも通用するものです。

 今回ご紹介するのは、飛騨・高山に工場がある「飛騨産業」が復刻した大衆的名作椅子「アイガー」のご紹介です。かなり以前にこの椅子の生産は中止され廃番商品となっていました。安田屋家具店では、この椅子の木部塗り直し、座面張替などを何回も行なっていました。そしてその度に、何でこんな良い椅子を生産しないのだろうかと???、思っていました。けっしてセレブ的な高級な椅子や、著名なデザイナーが生み出した椅子ではなく、いわば一般大衆的な名作椅子というべき商品だと思います。

 9月に開催された「飛騨・高山 木工家具展示会」にて、「アイガー」を復刻生産されることを知り、すぐに注文をしたのです。そしてこの一般大衆的な名作椅子が入荷してきました。早速、1階ショールームにて展示です。

サイズは、横幅530、奥行575、総高680、座高380、肘高575㎜。
木部材質はナラ無垢材。

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