安田屋家具店

現在使用されている籐シート材は「四ツ目編み籐シート」となります。強度が低い材料のため、現在ではほぼ使用されません。また木部フレームとの一体感を演出するため、籐シート材にも塗装仕上げが行われています。 籐シート材に塗装仕上げを行うと、籐材を塗料がコーティングして弾力性が失われます。強度が低い材料の上に弾力性が失われているため、籐シート材が破れやすくなっています。 

破れの状態はほぼ同じです。木部フレーム枠に沿って籐シート材が破れている場合がほとんどです。これは背もたれに荷重がかかると籐シート材が後ろ側に押し出され、籐シート材があっている木部縁部分の籐材に無理が生じ破れてしまうからです。

本来、籐シート材は塗装仕上げをしてコーティングをするのではなく、生地の状態で使用する方が強度が高いのですが、工場は耐久性よりも見た目を重視するので、強度が低くなってしまう塗装仕上げを行うのです。

当店での張替の場合、塗装仕上げを行わない生地仕上げでの張替となります。そのため籐シート部分は白っぽい色となります。

張替直後は今までとは違った雰囲気になり違和感を感じますが、年数が経過するとともに籐シート材はアメ色に変色していきますので、徐々になじんでいきます。ただし現在のような塗装仕上げの色までは濃くなりません。

張替でお勧めするのは、強度が最も高い「五分カゴメ編み籐シート材」を使用する方法です。背面サイズが大きいので、現在の「四ツ目編み籐シート材」ではなく、「五分カゴメ編み籐シート材」を使用されることをお勧めします。

「五分カゴメ編み籐シート材」の場合も塗装仕上げを行わない生地仕上げとなります。張替費用をご案内します。

現在と同じ「四ツ目編み籐シート材」を使用し、無着色・無塗装の生地仕上の場合 １脚税込　１８，０００円　往復の送料が別途必要です。

強度の強い「五分ガゴメ編み籐シート材」を使用し、無着色・無塗装の生地仕上の場合 １脚税込　１６，０００円　往復の送料が別途必要です。

椅子木部フレームにガタツキが無ければ、買い替えられるより張替されることの方が安価です。ただ座面も当然劣化していると思いますので、座面張替がこの椅子の場合1万円～15,000円程度となるかと思います。そのため背面・座面共に修理する場合は、買替金額か、修理するか判断に迷うところです。

ただ最近の安価な椅子の耐久性は落ちていますので、現在使用されているコスガ製椅子よりも使用年数は少ないです。
ご検討いただき、張替を希望される場合はぜひ安田屋家具店にご用命ください。

N様からの返信
分かりやすいご説明、ご返答ありがとうございました。承知いたしました。個人的にはこの椅子の地味で主張のないところが気に入っていたので、四つ目仕様が希望ですが、また送料の負担もそれなりになりますので少し思案しております。40年近く愛用しましたが、今回2脚はまだ症状が軽く、時期を分けての修理を考えております。

電動ルーターを使用して、金具がきちんとはまるように溝を彫り広げる。

電動工具あれば、二つの溝を彫り広げるのに１０分程度で完了。この作業は木くずがいっぱい飛び散ります。エプロン着用での作業が必用です。

扉木口と金具が密着するように溝を慎重に彫り広げます。

溝彫加工完了。
このまま溝に金具をはめ入れて金具を取付け、家具本体に扉を取付ければ修理完了となるはずなんですが、、、、。そうはいかないんですね。この先は実店舗での取替作業中に編み出した作業工程があるんです。この作業工程は企業秘密となります。これを会得するまでには時間がかかりました。

代替金具ご購入のお客様には、金具と一緒に企業秘密の作業工程説明書と扉取り付け作業書を送りますのでご安心ください。これがあれば問題なく修理完了となるはずです。

ただし、「HG-613-5」刻印サイズは１８-１５。代替金具は２０-１５。２mmの違いがあります。２mmの違いであれば、問題なく取付いていることがほとんどですが、家具の構造、扉取付位置などによっては扉同士がぶつかったりする場合がありますのでご了承ください。

この代替金具のご注文は２４時間３６５日いつでもできる安田屋家具店オンラインショップをご利用ください。

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まず扉にあいている金具をはめ入れる円形溝。このサイズが破損金具と代替金具とでは大きく異なっている。そのため金具をはめ入れる円形溝を彫り広げる作業をしないと金具取替ができない。

破損金具の場合、円形溝の直径は２７mm、長さは２０mm。代替金具の場合、直径は３５mm、長さは２４mm。そのため溝の直径を８mm、長さを４mm彫り広げる作業が必用となる。電動ルーターという工具があれば簡単にできますが、ない場合は建具店などの専門店に依頼することとなります。

O様からの連絡
金具取替を行う扉は食器戸棚の片開きです。

サイズは、縦約60ｃｍ、横約40ｃｍ、厚み約2ｃｍ、重さ2.3ｋｇ です。扉１枚です。安田屋家具店に扉を送りますので、代替金具を取付けてください。よろしくお願いします。

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この記事で紹介している代替金具は、２４時間３６５日いつでも安田屋家具店オンラインショップにてご注文いただけます。ぜひご利用ください。

金具裏側の刻印を確認すると・・・、

HG-　　３-５の刻印が見える。中央部がわからなくなっている。過去の経験上「HG-613-5」だと確信。

扉側と家具本体側に取付ける部分のサイズを確認。扉側は１８mm、家具本体側は１５mm。

この金具であれば代替金具はあります。ただ問題が一つだけあります。直ぐO様に連絡。

安田屋家具店からの連絡
代替金具はありますのでご安心ください。
ただ代替金具と破損金具とで大きく異なる点があります。金具円形部分をはめ入れる扉側に彫られている円形溝のサイズです。

破損金具をはめ入れる円形溝よりも、代替金具の円形溝が大きいため、円形溝を彫り広げる作業が必用となります。添付資料のように溝の幅を35mm、長さを24mmにして、代替金具がはめ入れるようにする必要があります。

手彫りは大変なので、電動ルーターのような工具があれば簡単にできます。無い場合は建具店などに依頼することとなります。

扉側の円形溝を彫り広げられないと代替金具の取付ができませんので、この作業ができないと金具取付ができません。ご用命いただければ安田屋家具店でも溝彫加工を行い、代替金具を取付けますのでお気軽にご利用ください。その際は扉を家具本体から外して、安田屋家具店に送ってください。代替金具を取付けて発送します。

また実体験による扉取り付け作業書を同梱しますので、参考にしていただければお客様自身で取付作業きできるものと考えます。

O様からの返信
つまり代替え金具が使えると判断出来ても、金具が付いていた扉側の溝を広げる必要があるのですね。それではまずご指摘の事をやってくれる建具店を見つける必要があるわけですね。

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金具の刻印は恐らく「HG-613-5」だと思います。 61の部分が金具でふさがって見えなくなっています。 同じ金具を多数取替えた実績がありますので、O様の場合も金具サイズが合えば、現存する他工場の金具で取替修理が出来るものと思います。

添付資料の(A)(B)のサイズを確認ください。
(A)は扉側にあいている円形溝にはめ入れる金具部位で、金具の厚みの下から下方の接合ピンまでの長さ。
(B)は金具厚みの下から下方の折れ曲がった部分の先端までの長さ。

(A)が18mm、(B)が15mmであれば、当店実店舗で数多く取り換え実績があるケースと同じなので、代替金具はあります。

迅速なご連絡誠にありがとうございます。技術的な事が一切わからずご迷惑をおかけいたしますが、ご指示のAとBのサイズを肉眼にて計ったのですが、Bは固定しやすく15mmとなんとか判明したのですが、Aの固定が難しく凡そ18mmっぽいです。最悪、蝶番を御社に送り、調べて頂けると嬉しいのですが、可能でしょうか?

男性

四代目

破損金具を送ってください。実物を確認してご提案いたします。

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